高麗人参が高級品に位置づけられる理由は、豊富な栄養成分も挙げられますが、一番の理由は生産の難しさにあります。
絶対数が少なく、希少価値が非常に高い存在なのです。
元々は自然界に自生するのみでしたが、現在では栽培に成功して畑で作れるようになりました。
それによって以前のような希少価値が薄れたかというと、そうでもありません。
栽培できる技術が確立されても未だに天然物の品質には届かず、さらに種まきから採取まで数年はかかってしまいます。
そのため栽培できる現在でも大量生産は極めて困難な状況です。
高麗人参は多年植物のため数年かけて成長します。
成長のピークは6年目で、6年かけて育てた高麗人参の六年根は市場で最高品質として高値で取引される存在です。
高麗人参が自生するのは中国の朝鮮半島の一部の地域のみです。
これは高麗人参が育つ土壌や気候条件がかなり限られているからに他なりません。
現在では日本でも栽培されていますが産地はやはり限られており、主な産地は福島県、長野県、島根県です。
高麗人参は高温多湿の気候と相性が悪いため、必然的に日本の大半の土地が栽培に向かないのです。
高麗人参の栄養価が非常に高いのは育つ際に周辺の土地の栄養を根こそぎ吸収して育つからです。
そのため栽培にはまず肥えた土壌を作る必要があります。
一般的にこの土壌づくりに最低1年以上かかります(理想は2、3年)
まず土地にトウモロコシなどを育て、半熟の青いうちに刈り取り、それを肥料にして土地を肥えさせます。
高麗人参は直射日光が当たる環境では育ちません。
自生する高麗人参も山奥や森の奥など、草深い場所で、日中はほとんど日が当たらない環境です。
栽培する際もその環境を再現する必要があります。
小屋を作って屋内で育てると何かと便利ですが、大量に作る場合、小屋は難しく、遮光シートを用いる場合が多いです。
朝日だけは当たった方が望ましいため、その時間だけ遮光シートや小屋の窓を開けて朝日を浴びせます。
自然に朝日だけが当たるような自然環境が望ましいのですが、それはなかなか難しく、朝日の時間に窓や遮光シートを開ける、これを毎日繰り返すのがベストです。
とにかく高麗人参の栽培は屋根のある環境が不可欠です。
水はけを良くするために高麗人参畑は適度な傾斜であることも好条件の一つです。
種まきから1年毎に1枚ずつ葉をつけ、4年目くらいで実をつけます。
夏になると実は赤くなり、この赤い実もサプリメントの原料に用いられます。
1年毎に一枚の葉をつけるのが基本のため、葉の状態を見れば何年物か判断できます。
高麗人参は種まきから1年で枝葉に成長します。
そのくらいになれば製品となる土中の根も形になっているため、採集が可能です。
しかし高麗人参は多年植物のためその後も成長を続け、成長のピークは6年目です。
それ以降は病気に対する耐性が落ち、劣化していきます。
高麗人参の成長のピークは6年目で、種まきから六年育てた六年根が高麗人参の最高品質です。
6年かけて最高品質となりますが、市場には四年根も多く流通しています。
四年根でも栄養価はそれなりにあり、商品価値もあります。
そのため4年で収穫する栽培業者の割合が大半を占めます。
四年根は生産コストと対費用効果のバランスが優れているということです。
土壌づくりに数年かけることを考えると最高品質の六年根を作るには約十年もの歳月を要するということです。
そして一度高麗人参が育った土は根こそぎ栄養が吸い取られるため、向こう十年は高麗人参が育たない土となります。
このため一つの場所で高麗人参を作るのは二十年のサイクルが必要ということになり、最高品質の高麗人参栽培は一代に一回限り、というのが定説です。